最近、SVBONYから新しく登場したアストログラフ天体望遠鏡「SV555」を試す機会があったので、さっそく使ってみました。
SV555は、口径54mm、焦点距離243mmというコンパクトな設計で、3群5枚構成(そのうち1枚はEDレンズを使用)という本格的な光学設計が採用されています。特に天体写真撮影に最適化されているモデルで、小型ながらしっかりとした性能を感じました。
主なスペックは以下のとおりです:
· 口径:54mm
· 焦点距離:243mm
· 光学系:3群5枚(EDレンズ1枚含む)ペッツバール式
· 口径比:f/4.5
· 絞り:f/4.5~f/22
· コーティング:FMC
· イメージサークル:Φ44mm(フルサイズ対応)
· マウント:ダブテールプレート(長さ185mm)
· 接続部:M48x0.75 オスネジ
· 重量:本体約2450g(付属品除く)
· 全長:205mm(フード収納時)/256mm(装着時)
· レンズ先端:直径72mmのフィルター装着に対応
· レンズ後端:M48P0.75 オスネジ付き接続部を装備
この天体望遠鏡は収納しやすく、重量も非常に軽量です。組み立ても10分ほどで完了するので、観測準備がとてもスムーズです。
また、ピントの合わせ方が少しユニークで、鏡筒の前にあるリング(フォーカスリング)を回して調整する仕組みになっています。最初は少し戸惑うかもしれませんが、慣れてくると直感的に操作できるようになります。
実際に使ってみた:
月の撮影にてテスト
使用機材:SVBONY SV555
カメラ:Canon EOS R6
月を撮影してみたところ、クレーターや山脈の細かなディテールまでくっきりと写し出され、非常に驚きました。特に月の縁付近でも、色にじみや歪みがほとんど見られず、光学設計の精度と丁寧さがしっかりと感じられます。
EDレンズは1枚のみですが、色収差がしっかりと抑えられ、全体的に非常にクリアでシャープな描写が魅力です。暗所でもピントが甘くなることはなく、繊細な表現力をしっかりとキープしてくれます。
SV555の魅力ポイント
1.画質のバランスが優れている
EDレンズを含むペッツバール設計に加え、内蔵フラットナーで像面を補正することにより、画面の端までシャープな画像を実現しています。コマ収差も抑えられており、広角撮影にも優れたパフォーマンスを発揮します。
2.絞りの細かい調整が可能
f/4.5からf/22まで、段階的に絞りを調整できるため、撮影シーンに応じて柔軟にコントロールが可能です。リングの操作感も程よく、直感的に使いやすい設計です。
3.フルサイズ対応
44mmのイメージサークルを持ち、フルサイズセンサーのカメラにもぴったりフィットします。周辺減光も少なく、すっきりとした画像を得ることができます。
4.カメラとの相性が良好
前面にはM72ネジが搭載されており、一般的なフィルターがそのまま使用可能です。また、後端のM48P0.75ネジにより接続の自由度も高く、さまざまなカメラとの組み合わせに対応します。
総評:
初めての方にも扱いやすく、観察に慣れている方にもご満足いただける一本です。特に月や明るい星雲の撮影では、その性能を存分に発揮します。ピント合わせは手動・EAFいずれもスムーズで、扱いやすさにも優れています。フルサイズ対応と高いカメラ互換性により、長期間にわたって安定して使用できるため、非常に信頼性の高い選択肢と言えるでしょう。